バツイチの養育費を増やす方法

バツイチ養育費増額

学費などで困ったら、養育費を「増やす」ことができる?

取り決めた養育費を変更することは可能です。

離婚した後、子どもをとりまく状況は変わります。相手の年収が増えることもありますし、子どもの健康状態によってはよりお金が必要になるケースもあるでしょう。そのため、養育費はいつでも決め直すことができるのです。

まずは双方の話し合いになりますが、合意できない場合は、養育費増額調停を起こすこともできます。家庭裁判所が妥当と認めれば、養育費の支払い命令が出て、金額が実際に上がります。

バツイチ養育費変更可能

養育費が「減らされる」こともある?

一方で、養育費が減額される可能性もあるのです。相手の年収が減った場合は、「養育費の算定表」による妥当な金額が減るので、受け取れる金額が下がります。

ただし、いきなり減額が決まるわけではありません。

離婚に関しての公正証書や調停調書があるならば、相手からはまず養育費減額調停の申し立てがされるはずです。そこで、妥当な金額を決め直すのです。

養育費減額調停での話し合いが上手くいかなかった場合は、裁判官が審判となって、個別のケースに応じて養育費の金額を決定します。

相手の収入が実際に減っていることが確認できたら、養育費の減額は妥当と判断されて、養育費を減額することになるでしょう。

養育費をもらえないケースがある?

養育費は、相手の収入によって決まります。

つまり、収入がない相手からもらうことはできないのです。「収入に応じて子どもの養育費用を分担する」という考え方で決まっているのが養育費なので、無職で無収入の相手には請求できません。また、ケース02でご紹介したとおり、年収100万円の人からもほとんど養育費はもらえません。

これは相手の状況にもよりますので、弁護士などのプロに相談することをお勧めします。

バツイチ養育費ストップ

それから、「養育費の支払いが途中でストップする」のもよくあるケースです。

相手に連絡しても支払ってもらえない場合は、差し押さえなどの強制的な手続きに入る必要があります。

この手続きは、協議離婚か調停離婚か、そして公正証書の有無によって変わってきます。

公正証書があれば、裁判所の強制執行により、給与などを差し押さえできます。ない場合は、まず養育費調停を起こして、養育費を取り決める必要があります。

養育費調停に相手が出席しないケースもありますが、その場合も家庭裁判所が取り決めてくれますので、最終的には差し押さえが可能です。

これらのトラブルを避けるためにも、離婚するときは必ず公正証書を作っておきましょう。

バツイチの養育費:相場以外のケース

相場以外の養育費

養育費が「相場を外れた金額」になることがある?

もし離婚に際して裁判や訴訟になった場合、養育費は相場通りになります。

けれど、協議離婚や調停離婚など、当事者同士の話し合いになった場合は、金額を双方合意の上で決めることができます。

裁判所の提示する「養育費の算定表」は一般的な相場を示しているため、絶対この金額でなければいけない、というものではありません。

お互いが納得するならば、高額な養育費を設定することも、安価な養育費にすることもできます。ただし、あまり高い金額に設定すると、相手が支払う気をなくしたり、収入に見合わずに支払えなくなってしまったりします。

支払が止まって強制執行(差し押さえ)になったり、養育費減額調停となったりすると、かえってロスが大きくなります。継続的に養育費を受け取れるよう、相手の支払い能力を考えた上で金額を決めることが大切です。

バツイチ養育費相場以外

子どもの人数と年齢によって養育費が変わる?

既にご紹介済みですが、子どもの人数によって養育費は変わってきます。

そして、学費や生活費が上がる15~19歳までの子どもがいる場合、さらに養育費は高額になります。

ただし、子ども1人と子ども3人を比べて、養育費が3倍になるわけではありません。

ケース01でご案内したとおり、0歳児の子どもが1人いた場合の養育費は毎月4~6万円になります。この子が15歳以上になったらどうなるでしょうか?

バツイチ養育費相場以外2

ケース03:15~19歳の子ども1人いる場合

・養育費を支払う側の年収(夫・500万円)

・養育費を受取る側の年収(妻・100万円)

・サラリーマンか自営業者か(夫・サラリーマン、妻・パート)

・未成年の子どもの人数(1人)

・子どもが15歳以上かどうか(15歳以上)

この場合、養育費の相場は毎月6~8万円になります。

そして、15~19歳の子どもが3人いる場合は、毎月10~12万円となります。これらは「養育費の算定表」からわかる、一般的な相場です。

ただし、子どもの進学状況などによっても変わってきますので、個別のケースを考えながら養育費を決める必要があるでしょう。

バツイチの養育費相場

養育費の相場

「バツイチ養育費の相場」は計算ですぐにわかる

養育費の相場を計算するために必要な要素は以下の通りです。

・養育費を支払う側の年収

・養育費を受取る側の年収

・サラリーマンか自営業者か

・未成年の子どもの人数

・子どもが15歳以上かどうか

支払う側の年収が高ければ、養育費の金額は上がります。そして受け取る側の年収が高ければ、養育費の金額は下がるんです。

また同じ年収なら、自営業者よりもサラリーマンの方が養育費の金額が少なくなります(自営業者は確定申告で経費を差し引けるため)。

また、未成年の子どもの人数が多いほど、多くの養育費が必要です。ただし、単純に1人→2人が2倍になるわけではありません。これも、数式が決まっています。

そして、子どもが15歳以上になると、学費などがより多くかかるようになるため、やはり養育費の金額は上がってきます。

養育費の算定式については「養育費の算定表」で検索すればすぐに見つかるので、気になる人はチェックしてみましょう。

親権争い

バツイチ養育費の算出例

養育費を決めるときは、まず家庭裁判所で採用されている算定方式を使って相場を出すことになります。この金額は「〇〇円」と確定するわけではなく、この時点でもある程度の幅があります。家庭によって様々な事情がありますので「4~6万円」という風に、「相場はあるけれど、その金額には幅がある」と思ってください。

【養育費の算出例】

ケース01:サラリーマンの夫から養育費を受け取る

・養育費を支払う側の年収(夫・500万円)

・養育費を受取る側の年収(妻・100万円)

・サラリーマンか自営業者か(夫・サラリーマン、妻・パート)

・未成年の子どもの人数(1人)

・子どもが15歳以上かどうか(0~14歳)

この状況ですと、養育費の相場は毎月4~6万円になります。

では、妻と夫の立場を逆にしたらどうでしょうか?

ケース02:パートの妻から養育費を受け取る

・養育費を支払う側の年収(妻・100万円)

・養育費を受取る側の年収(夫・500万円)

・サラリーマンか自営業者か(夫・サラリーマン、妻・パート)

・未成年の子どもの人数(1人)

・子どもが15歳以上かどうか(0~14歳)

この場合、養育費の相場は毎月0~1万円になります。

このように、ケースによって大きく金額が変わるのが養育費です。また、子どもの人数と年齢によっても変わってきますので、算出が難しいというケースもあるはずです。

養育費算定表を見ても金額がわからない場合は、専門家である弁護士に相談すると良いでしょう。

バツイチ離婚の養育費って誰のもの

養育費は誰のもの

色々な事情で離婚を考えていると、「それでも子どもには不自由させたくない」と考えますよね。離婚した後、子どもを養育している側の親が受け取れるのが「養育費」です。

この養育費ですが、「養育費があるから生活は大丈夫」というようなものではないので注意が必要です。

今回は、養育費とその相場について、詳しくお話ししていきますね。

「養育費」って誰のもの?

離婚の理由はいろいろあると思います。

たとえば相手の浮気だった場合、「慰謝料」がもらえたりしますし、円満離婚でも「財産分与」があったりします。これは夫婦間のお金のやり取りですね。

ところが、「養育費」は少し性質が違います。

養育費は未成年の子どもを育てるための費用なので、もちろん子どもがいない場合は発生しません。そして、「子どもの成長にかかる費用は、離婚してもその両親が負担する」という考え方で金額が決められます。

離婚すると、どちらかの親が親権者となり、子どもを養育・監護することになります。

育児のための費用は親権者が主に負担し、親権者ではない方の親が「子どもを育てるための費用」を親権者に支払います。これが養育費です。

ちなみに、養育費は親子関係の有無によって決定されます。

元々夫婦でなくても、親子であれば養育費の支払い義務が生じます。結婚せずに子どもを認知した場合ですね。他にも、養子縁組をした場合にも法律上の親子関係となりますので、養育費を支払う必要が出てきます。

養育費

「食費」「オモチャ」「入学金」「塾」……どこまでが養育費?

「子どもが海外に留学したいと言っている」

こういうとき、養育費として請求したり、負担してもらうことができるんでしょうか?

そもそも、どこまでが養育費なのかは、人によってイメージが違いますよね。

そのため、養育費の算定方法が大切になります。

実は、養育費の決め方は裁判実務上決まっているんです。このとき「食費がいくら」「学費がいくら」という細かい設定はありません。収入と子どもの人数がその基準です。つまり「どこまでが養育費か」は決まっていませんが、逆に、「受け取った養育費を何に使ったか」と報告する義務もありません。

そしてもちろん、離婚する夫婦で話し合いをして、相場とは違う金額を設定することも可能です。ただ、離婚しても子どもを夫婦で養育するという観点から、子どもにかかる費用の全てを相手に負担してもらうのは難しいと思ってください。

養育費は子どもが「大人になるまで」もらえる

子どもが子どもであるうちは、養育費を受け取ることができます。

基本的には、20歳(成人)をもって大人としています。つまり、子どもが20歳になった月までです。

例外として、子どもが高校卒業後に就職した場合、卒業と同時に養育費の支払いを終えるケースもあります。もしくは、子どもが大学生になった場合、22歳の卒業までは学費が必要になりますので、支払期間を延長とするケースも多いです。

浪人、留年、大学院進学の場合はケースバイケースになります。

これらの場合、子ども自身が親と話し合いをして、どれだけ学費が必要か話し合う方法を採ることが多いようです。